ＦＯＲＭ０ はじまり

2017年　トーキョー

「剣様、朝でございます」
メイド服を着た女性が部屋に入ってくる
「あ、おはようございますヴィルヘルミナさん」
そういうと剣（つるぎ）がハンガーに掛けていたシャツを着る
「朝食のほうが出来ているのでお早めにリビングに」
そう言うとヴィルヘルミナが部屋から出て行く
「ほんと、何も思い出せない・・・・・」
そういい剣が左手に巻かれ包帯を見る



「父さん、愛理ねえ、良にい、おはよう」
剣が上着を椅子にかける
「おはよう、剣」
良太郎がパンを齧りながら言う
「はは、ふたりとも元気がいいな」
父が新聞を畳みながら言う
「私は好きよ、こういうやり取り」
そう言うと愛理が父のカップにコーヒーを入れる
「ふぅ、それじゃあ行ってきま～す」
朝食を食べ終えた剣が上着を気ながら出て行く
「いってらっしゃ～い」
愛理が手を振る

玄関
「それじゃあヴィルヘルミナさんいってきますね」
そういい剣がスニーカーをはき、バイクのキーを挿す
「いってらっしゃいませ、剣様」
ヴィルヘルミナが笑顔で剣を見送る
「今日のネクタイかわいいよ」
そういい剣がアクセルを吹かし、颯爽と出て行った